衝突と挫折を経てたどり着いた、仕事に「楽しさ」をつくる理由 | 訪問看護のソフィアメディ求人・採用情報サイト
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INTERVIEW

働くスタッフの声

衝突と挫折を経てたどり着いた、仕事に「楽しさ」をつくる理由

ステーション都立大学(2023年5月よりステーション大森町勤務)

看護師 T.Dさん

ソフィアメディは「安心であたたかな在宅療養を日本中にゆきわたらせ、ひとりでも多くの方に、こころから満たされた人生を。」をビジョンに掲げており、現在79の訪問看護ステーションを運営しています。そして、ステーションの数だけ様々なキャリアや個性、そして志をもった管理者がいます。 今回は、ステーション都立大学で管理者をされるTさん。ソフィアメディに入社されてから4ヶ所で管理者を務めてきましたが、最初の頃は上手くいかず、スタッフとの衝突や管理者としての挫折もされました。そこからどのように立ち直り、今の管理者マインドに至ったのかお話を伺いました。

看護師 T.Dさん ステーション都立大学(2023年5月よりステーション大森町勤務) 東京都出身。総合病院、透析クリニック、訪問診療を行うクリニックの経験を経て、2013年3月にステーション田園調布(現在はステーション雪谷と統合)に入社。その後、ステーション雪谷、田園調布、自由が丘に所属。ステーション自由が丘では管理者を務めるが、一度退職。他社訪問看護ステーションで働くものの、再びソフィアメディで働くことを決め、2019年10月に「ハローアゲイン制度」を利用して再入社。ステーション東が丘で管理者を勤めた後、現在ステーション都立大学で管理者を勤める。趣味は筋トレ、お菓子作り。

※記事の内容は2022年7月取材当時のものです

過去の失敗から学んだ、「やって当たり前」からの脱却

──Tさんの経歴を教えてください。

Tさん:大学を卒業後、介護療養型病院に入職しました。その施設特有の名称になりますが、生活活性化委員という職種で、入浴介助やレクリエーションなど入居者様に幅広く関わらせていただきました。2年間そこで働いている時に同期の看護師さんに勧められ、ケアに携わってみたくなり、看護学校に通い直して28歳のとき看護師免許を取りました。

当時通っていた看護学校は、私たちの学年から社会人入試が始まったので同じように社会人から看護師を目指す同志が大勢いました。ただ、男性で看護師を目指す人はまだまだ少なく、1学年80人のうち、男性は6人程度でした。

──ソフィアメディは男性看護師さんの割合が12.4%(2022年8月1日時点)となっていますが、昔はそんなに少なかったんですね。

Tさん:そうですね。ここ10年で日本の男性看護師の数は2倍以上になっていますが、まだまだ男女比で見ると少なく、男性看護師は8%程度と言われています。病院で働いていた時も各病棟に1人くらいでしたね。

──後でまたお聞きしますが、ステーション都立大学は男性スタッフがTさんお一人なんですよね。看護学校や病院時代を通して女性が多い環境にいましたが、その中で難しさなどはありましたか?

Tさん:そうですね。昔からそのような環境にいたので、慣れてしまっているような感覚です。それでも、やはり気をつかいます。私も結構いい年齢になってきたので、スタッフとの年齢差も離れてきてきました。あと何年かすると自分の娘くらいのスタッフも出てくる年代になりました。親子ぐらい年齢が離れていると、話しやすさと話しにくさの両面が出てくると思います。でも、相手も同じように私に気をつかっているかもしれません。

──そのような経験のなかで得た学びはありますか?

Tさん:最近ではハラスメントへの意識が高まり、今まで以上に言葉づかいや言い回しに気をつけており、どうすればお互いが気持ちよく働くことができるかということを大切にしています。

──特に意識されていることはありますか?

Tさん:自分の考え方や価値観がスタッフにとってのあたりまえのことだと思わないようにしています。またスタッフに指導した時に、わかってほしいとはもちろん思いますが、相手自身に気づきがなければ行動は変えられません。自分で気づくことが大事だと思うので、頭ごなしに指導するだけではなく、気づいてもらえるような伝え方や立ち回りをするように意識しています。

──昔ながらの上司というと、役職や肩書きのようなポジションパワーで人を動かしたり、ズバッと指示を出すようなイメージがありますが、Tさんの関わり方とは正反対ですね。それは、管理者になられてから意識して取り組まれていたんですか?

Tさん:はい、最初のころは「やって当たり前」「できて当たり前」という意識が強かったです。スケジュールに空きがあるスタッフに対して「空いているなら訪問に行くのが当たり前」という気持ちでいたので、スタッフと価値観が合わず衝突することも多々ありました。

また、ちょうどその時に社長の交代もあって、会社の体制が大きく変わってきました。「安心であたたかな在宅療養を日本中にゆきわたらせ、ひとりでも多くの方に、こころから満たされた人生を。」というビジョンが生まれたのもちょうどこの時になりますが、当時は自分が住む地域の在宅療養を支えられれば、と思っていたので、規模感や新しい方針に自分がちゃんと付いていくことができるのか不安になり、一度退職をしました。

しかし、長く働いたソフィアメディから離れ、外から客観的に見てみると、お客様を第一に考える理念やそれを支える会社の体制や制度が充実していることに改めて気づき、もう一度ソフィアメディで働きたいと思い、「ハローアゲイン制度」を活用してステーション東が丘に再入社しました。

──会社の規模拡大による不安から一度退職をされますが、その不安に変化はありましたか?

Tさん:「在宅療養を日本中にゆきわたらせ」とありますが、自分ひとりでそれを行っていくわけではない。私は管理者として今いるステーション、そしてその地域のお客様を支えていくもので、それをソフィアメディ全体で積み重ねていくと、ビジョンの達成に近づいていくと気づき不安が晴れていきました。

──気持ちに余裕が生まれ、管理者としてのあり方にも変化はありましたか?

Tさん:どの仕事も同じだとは思いますが、医療という仕事はすごく気力や体力をつかう仕事だと思っています。頭ごなしに当たり前ではなく、どのような伝え方であれば気持ちよく働くことができるかを考えるようになりました。

──普段の訪問業務だけでなく管理者業務もあり、ご多忙のなかでどのように関わり方を振り返り、改善していかれたんですか?

Tさん:ステーション東が丘で管理者をしていたときは、その時の主任の存在が大きかったですね。主任と話をしていると「そういう考え方もあるんだ」という、自分とは違う視点に気づかせてくれました。また、お互いの価値観を共有していくなかで、「あのとき、もう少しこうした方がよかったのかな?」という振り返りの良い機会にもなりました。

──管理者になると自分がやらなきゃいけないという責任や孤独を感じてしまいそうですが、主任が寄り添ってくれてお互いの振り返りの場になるのは素敵ですね。

Tさん:そうですね。管理者になったばかりのときは、スタッフの前でどう立ち振る舞えばいいかわからず、自分自身で何でもやらなきゃいけないという気持ちが強かったです。そういうところもあって、自分が潰れてしまったのかもしれません。

訪問の合間に「ほっとひと息」をつくる

──現在、管理者をされるステーション都立大学について教えてください。

Tさん:2021年6月1日に開設したステーションになります。管理者のほかには、看護師が3名、セラピストが1名、医療事務が1名いるのですが、私以外は全員女性スタッフというソフィアメディの中では珍しいステーションになります。


先日、開設1周年をステーションでお祝いされたときの写真

──ステーション都立大学では、少し楽しい風土があると伺ったのですが…Tさんが手作りスイーツを持ってこられることがあるとか。

Tさん:スタッフと雑談をしているとき、「最近、お菓子づくりにハマっていて…」というのをポロっと言ったら、「食べたいです!」となったので、シュークリームを作って持っていきました。スタッフから「美味しい」と言ってもらえるのが嬉しくて、その後もシフォンケーキや、チーズケーキ、ミルフィーユ、タルト、マフィンなどを作りました。

──どれも本格的で美味しそうですね!手作りのお菓子を持って行くようになってから、ステーションの雰囲気に変化はありましたか?

Tさん:甘いものが好きなスタッフが多いので、今まで以上に楽しい気持ちで働けるようになったのではないでしょうか。もともと雰囲気はとても良いのですが、さらに良くなったように感じます。

──甘いものを食べると自然と笑顔になりますし、コミュニケーションのキッカケにもなりますね。

Tさん:大変な訪問を終えてステーションに帰ってきてから甘いものやおいしいものを食べることで、張りつめていた気持ちが和んだり、「よし、また頑張ろう」と気持ちを切り替えるキッカケになればいいなと思っています。

「相手本位」を貫くには、まずご自愛から

──他にもコミュニケーションの部分で意識されていることはありますか?

Tさん:訪問から帰ってきて、管理者である私が不機嫌な顔でドシンと座っていては、スタッフは話しかけにくいと思うので、そういう空気にはしないように気をつけています。

──先日、ステーション都立大学にお邪魔させていただきましたが、訪問から帰ってこられたTさんの方から率先してスタッフに「〇〇さんの調子、こうだったよ」と報告されていましたよね。

Tさん:もちろん情報共有は必要ですし、何より私が話しかけることでみんなも話しやすい雰囲気や報告しやすい関係性を作りたいと思っています。あとは、私自身も自分の訪問の話を聞いてほしいという部分もあります。

──その場面を見ていて、「一方向な業務連絡」ではなく「双方向の情報共有」をされているように感じました。

Tさん:訪問看護ステーションというチームで働いているので、管理者である私の考えが必ずしも正解だとは思ってません。みんなの良いところを引き出しながら、認め合っていくためにも、管理者の考えを押し付けないようにしています。

──長く管理者をされていると、「こうした方が上手くいく」というような経験値が積まれていくと思いますが、その経験を一旦脇に置いて客観的な視点で関わられているんですね。

Tさん:もちろん経験の上の知識や知恵は大切です。しかし、最初の話につながるのですが、あの頃は頭が固かったので、「こうやれ、ああやれ」のような上からの言い方ばかりしていました。それではスタッフの気持ちも察することができないし、フォローもできませんでした。自分自身も変わらなきゃと思い、色々な形を試してきましたが、今が一番自分自身もやりやすいですし、みんなも働きやすいんじゃないかなと思っています。まあ、そこはスタッフに聞いてみないとわからないですけどね(笑)。

──最初の頃の経験や失敗が今のTさんのあり方に関係しているんですね。

Tさん:不満を抱えながら仕事をしていると、それがスタッフに伝播して、最終的には自分自身に返ってきます。自分自身がそれに耐えられなくて、一度退職することになってしまいました。やっぱりみんなが働きにくいっていうのは自分も働きにくい。みんなが働きやすいってことは自分自身も働きやすいってことにつながっているんじゃないかなと思います。

──すごくわかります。

Tさん:ソフィアメディの行動指針に「常に相手本位に行動する」ということがありますが、相手のためももちろん大切ですが、その前に自分自身も大事にできないと、気持ちに余裕も生まれないでしょうし、お客様やスタッフのことを大事にはできないのではないでしょうか。

ステーションの管理者は目の前のお客様のことだけでなく、一緒に働くスタッフのことを誰よりも大切にし、考えている、ということをTさんのインタビューのなかから感じました。今でも上手くいかないことはたくさんあるとおっしゃっていましたが、決して悲観的に捉えておらず、それを前向きに乗り越えていこうとする「楽しむ」姿が感じられました。


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