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INTERVIEW

働くスタッフの声

ベテラン訪問看護師が語るのキャリアとステーション管理のやりがい

ステーション雪谷

看護師・管理者 O.Aさん

訪問看護のパイオニアとして、業界を牽引して挑戦を続けてきたソフィアメディ。現在も管理者として活躍中のOさんは、2003年に開設された第1号訪看ステーション「ステーション小山」にて、当初から勤務されていたベテラン訪問看護師の一人です。 訪問看護師になったキッカケ、管理者の仕事、Oさんが訪問看護の認定資格を取得して認定看護師となってからのお話や、訪問看護で大切にしていること、これまでの印象的なエピソードなどについて伺った内容をお届けします。

看護師・管理者 O.Aさん ステーション雪谷 大学卒業後、訪問看護師としてソフィアメディに新卒(※)で入社し、現在18年目。最初はソフィアメディの第一号ステーションであるステーション小山にて勤務し、3年目から管理者の道へ。その後、管理者職から一度離れ、認定看護師の資格を取得。様々なステーションで管理者を経験し、ステーション成城時代には管理者をしながら大学院に通う。ソフィアメディ初の365日対応型となる総合ナースステーション城南の立ち上げにも携わった。一時期は本社に異動し、訪問看護部長としても活躍。その後は再び管理者として複数のステーション立ち上げ・立て直しを手がけ、現在はステーション雪谷にて勤務中。 プライベートでは10年前に結婚。パートナーから仕事への理解を得て別居婚を選択し、現在は両親・弟と暮らしている。   ※現在、ソフィアメディでは、新卒採用は行っておりません。(2021年8月時点)

※2021年11月時点の記事です。

新卒からずっと、訪問看護ひとすじ

まずは、ソフィアメディで働き始めたきっかけについて教えてください。

Oさん:普通は病院で何年間か勤務してからこの道に進む人が多いと思いますが、私は新卒で訪問看護師になりました。きっかけは、学生時代の看護実習。訪問看護師の方と一緒に、末期がんのお客様のご自宅に伺ったときのことです。

私自身も祖父をがんで亡くしており、最後の3ヶ月は病院で寝たきりでした。そのイメージのままお客様先に伺ったのですが、コタツには奥様しかいらっしゃらず、「あの人は今、お風呂掃除をしているのよ」と言われました。とても驚きましたね。

でも、訪問看護師の方は全く動じる様子もなく、当たり前のようにお風呂場でお客様の輸液を交換されていました。また、そのお客様はがんが大きくなり、奥様と同じお料理を召し上がることは難しかったのですが、口の中で味わってはゴミ箱に出して奥様と一緒にお食事を楽しまれていました。その光景を目の当たりにし、末期がんのイメージが大きく音を立てて崩れるような感覚を覚えました。

同時に、「終末期の方でも、こんなに自由に過ごせるなんて。在宅療養ってすごい!」と感激しました。「こんな風に私も、ご本人の望む生活をお手伝いできたら素敵だな」と思い、最初からこの道を目指してソフィアメディに就職しました。だから、病院での勤務経験はありません。

─Oさんは入社18年目のベテランですが、新人時代はどんな様子でしたか?

Oさん:最初の5年間は、ソフィアメディが初めて立ち上げたステーション小山で働いていました。今でこそ、社内の専門職で一番の古株になりましたけど、新人の頃は右も左も分からず、入社して数ヶ月で早くも「もう無理かも…」とくじけそうになってしまって。当時はまだ会社設立から1年くらいの頃で、現場も本当に大変な時期でしたからね。

でも、「今辞めたら、経歴として何も残らない。せめて訪問看護認定看護師の資格を取ろう。そのために、5年はここで頑張ろう」と思い、踏みとどまりました。

─なぜ、「5年」を目標に置かれたのでしょうか。

Oさん:そもそも認定看護師の資格を取るためには、専門分野なら3年間、新卒なら5年間の経験が必要なんです。だから、「とりあえず5年」と自分に言い聞かせて頑張りました(笑)。

また、ちょうどその頃に入ってこられた非常勤の看護師さんが、知識も経験も豊富で、ユーモアもあって人柄も温かく、本当に素敵な方でした。その方に「私は知識も技術もないので、一度病院に行って学ぼうかと…」と相談したところ、「それは、ここではできないことなの?そんな動機なら、どこへ行っても一緒だよ」と言って、私を育てようと手を挙げてくださったんです。その方のおかげで、「認定看護師になるために、今はとにかく何でも経験させてもらって、たくさん勉強して頑張ろう」と思えるようになりました。

─管理者になったのは、いつ頃ですか?

Oさん:入社3年目です。常識的に考えたら、臨床3年で管理者というのは珍しいことでしたので、最初はかなり抵抗もしました。

でも、それまでお客様のことで一緒に泣いたり笑ったりしてきた、ステーション小山の後輩が「Oさんにやってほしいです。絶対に支えますから!」と言ってくれたんです。それで結局、管理者代行という形で私が管理業務を行うことになりました。そしてしばらくして、「代行を外して管理者になります」と宣言したら、ステーションの皆さんが拍手してくださいました。そのとき初めて、「私が管理者をやってもいいんだな」と、少しだけ自信がつきましたね。

その後は新規ステーションの立ち上げや既存ステーションの立て直しなどで9箇所ほど異動を経験しましたが、キャリアとしては基本的にずっと管理職を続けています。

管理者は、ステーションの頼れる「相談役」

 
─管理者の1日の動きを、簡単に教えてください。

Oさん:朝はまずスケジュールを確認し、簡単な申し送りをします。その後は現場に出ることもありますが、ステーション内で事務作業をしていることが多いです。スタッフのスケジュール管理や調整をして、夕方には帰ってきたスタッフさんから報告を受けて必要な指示を出します。また、ケアマネジャーさんとお電話をしたり、新規の方のご相談や契約に伺ったり、会議に参加したり…といった外部対応も管理者の仕事です。

─管理者になると、やはり現場への訪問頻度は減りますか?

Oさん:そうですね。今でも訪問業務は大好きですが、私がずっと外に出ていると「相談したいときに管理者がいない」とスタッフさんたちが困ってしまいます。そうすると現場の不満につながるので、なるべくステーション内にいる時間を多く取るようにしています。それでも、今も現場の視点を忘れないために1日2件くらいは訪問に行きますけどね。自分の中で、事務作業と現場に出るバランスを取りながら動いています。

理想の訪問看護を追求できる。それが管理者の醍醐味

─管理者にとって、仕事のやりがいとは何でしょうか。

Oさん:管理者になってよかったなと思う点は、やっぱり自分がつくるステーションなので、自分の想いや意見を分かってもらいやすく、やりたいことを実現しやすいことです。「こんなステーションをつくっていきたい」「こういう想いで仕事と向き合いたい」など、自分なりの考えをスタッフさんたちに伝えて賛同を得ることで、みんなで足並みを揃えて一緒に進むことができます。

たとえば、ソフィアメディのVision・Mission・Spiritsに基づき、重症度の高い方を看護し、人生を全うされるまでしっかりと寄り添いたいと思っていても、スタッフさんたちに「協力したくありません」と言われたらそこで終わりです。でも、きちんと自分の想いを説明して同意を得られたら、お客様に喜ばれることをたくさん実現できます。どこへ行っても、そこにいるチームの人たちと一緒に、形を変えながら理想とする訪問看護を叶えていける。それが管理者の醍醐味だと思っています。

─逆に、管理者の厳しさや難しさはどんなところにありますか?

Oさん:訪問看護のお客様は本当にさまざまで、0歳から100歳を超える方まで、いろんな疾患を持つ方がいらっしゃいます。現場で幅広い知識やスキルが必要になるのはもちろんですが、スタッフから見れば、管理者は「何でも分かっている存在」でいてほしいもの。つまり、スタッフ以上のレベルが求められます。知らないことは私も正直に「調べます」「知りません」などと言いますが、同じ対応が続くと失望されてしまうので、日頃から勉強は欠かせません。管理者は、医療知識・技術の双方で向上が求められ続ける仕事です。

─どんな人が、管理者に向いていると思いますか?

Oさん:これは研修でもよく言っていることですが、リーダーになること自体は誰にでも可能かもしれません。だから管理者にも向き・不向きはそこまでありません。ただ、常に良い管理者であり続ける努力は必要だと思っています。

大切なのは、何よりお客様のために動けること。そのためには、「私が」ではなく「お客様が」を主語にして話せる方がいいですね。お客様を大切に想う気持ちは、年齢もキャリアも違うスタッフさんたちをまとめていく中で、全員と目線を同じにして結びつきを強くするための重要な要素となります。

「お客様第一」に、お互いを思いやれる温かさがソフィアメディの魅力

 
─Oさんから見た、ソフィアメディの良さを教えてください。

Oさん:やっぱり「お客様第一」なところですね。それがないとソフィアメディじゃないし、私でもない。そう思っています。医療職にとっての共通の喜びは、お客様の幸せや生きがいをお手伝いすること。これはソフィアメディにいる誰もが体験できていることだと思います。私が今日まで仕事を続けられているのも、日々お客様からこの喜びをいただいているからこそです。

そして18年勤めて思うのは、「本当にソフィアメディには良い人が集まってくる」ということ。良い人たちが良い雰囲気をつくり、その空気に寄せられてまた良い人たちが入ってくる。そんなサイクルが続いています。この良さは、ずっとなくしてほしくないですね。

また、ソフィアメディで今後対応を進めていく24時間・365日体制はお客様だけでなくスタッフにとってもメリットが大きいと思っています。今、ステーション雪谷は365日24時間体制でスタッフはシフト勤務ですが、2連休や3連休も比較的取りやすく、みんなプライベートとの両立をうまく図りながら働いています。365日稼働だと「自分しか行けない」というお客様がいなくなるので、休みの交代などの融通もききやすい環境です。

─逆に、「ここは課題だな」と思うのはどんなところですか?

Oさん:ソフィアメディの良さを日本中に広めることも大切ですが、会社が急拡大してステーションも増えている分、私はそこに「ソフィアメディだから」という価値を出せないと意味がないと思っています。そのためには、ソフィアメディのコンセプトや想いをしっかり持った一定レベル以上の方々を、きちんと地域に根付かせていく必要がある。そこも管理者として腕の見せ所だなと感じています。

─最後に、訪問看護に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。

Oさん:ソフィアメディはとても温かい会社です。お客様に対して温かい想いを持ち、お互いのことも思いやれる人たちが集まっていますし、本社も私たちのことをよく考えてくれています。

そして訪問看護は、いただいた時間をすべて目の前のお客様のために使い、大切な時間をお客様と共有できる素敵な仕事です。ソフィアメディのコンセプトや想いに共感してくださる方、訪問看護やリハビリをやりたい方が入ってきてくださると嬉しいです。

 

訪問看護の認定資格は、取得してからが本当の勝負だった

─Oさんは、入社後に働きながら認定看護師の資格を取得されましたよね。当時、資格を取ろうと思ったキッカケが何かあったのでしょうか?

Oさん:未経験で入社した私は、最初は在宅どころか一般的な看護師としても全く役に立ちませんでした。だから、形として何か自信になるものが欲しかったんです。「この資格を取れば、周りの皆さんに追いついて、もっと仕事ができるようになるのではないか」という思いもありました。

─なるほど。では実際に取得してみて、いかがでしたか?

Oさん:実は、心理的には取った後のほうが大変でした。というのも、訪問看護の認定資格があることで、周りから「その道のスペシャリスト」という目で見られるようになったからです。

最初は「この資格さえ取れば、今よりもっと自信を持って仕事ができるようになるはず」と思っていたのですが、実際はむしろその逆でした。資格保有者としてそれまで以上に高いレベルが求められるようになり、より自分の立ち居振る舞いや外部への対応に気をつかうようになりました。

また、「資格を取っても、あの程度か…」と思われないために、新しいことを積極的に学ぶなど、自己研鑽にもより一層力を入れるようになりましたね。

安心して自宅に帰れる環境をつくることが、訪問看護のプロの役割

─資格を取り、訪問看護師としてのプロ意識がより強くなったということですね。具体的に、仕事ぶりはどのように変わりましたか?

Oさん:個人的に、訪問看護師の腕の見せどころは、お客様が安心してご自宅に帰れるように、退院してから在宅療養がスタートするまでの滑り出しをスムーズに進めることだと思っています。その点をより強く意識して行動するようになりました。

というのも、在宅療養は最初の2週間が山なんです。そこでつまずくと、「やっぱり無理」とすぐ病院に戻ってしまう方もいらっしゃいます。でもその山を乗り越えれば、あとはもうスムーズに滑り出していけるので、そこまではとにかく手厚くお手伝いをする。そして、サポートが要らなくなれば手を引いていく。私はそう決めています。

例えば、「ご自宅に帰ってからはこういうことが予想されるので、こんな準備が必要です」といったアドバイスやサポートは、訪問看護をよく知っている人でないとできません。そこが訪問看護の認定資格を持つ者の強みであり、自分の価値を見出せる一番のポイントだと思っています。

亡くなった後まで、ご家族の心のケアもしっかりと

 
─他にも、ソフィアメディの訪問看護師として大切にしていることがあれば教えてください。

Oさん:やはり、「亡くなる」ということもお客様によっては本当にご家族の目の前で起こるわけなので、病院とはまた違ったご家族のケアが必要になってきます。ここもすごく大事ですね。

それまでご本人ができていたことができなくなってこられると同時に医療処置が増え、ご家族にケアの内容をお伝えしてお願いすることも出てきます。また、体調が思わしくない日が増えてくることにご不安を感じたり、亡くなる前から周りのご家族が「予期悲嘆」で悲しくなってしまうケースも多いので、そうしたご家族の心のケアも必要です。

さらに、私はお客様が亡くなった後のご家族のケアも大切だと思っています。後日、お花を持って弔問に行ったりもしています。そうして交流やサポートを続けることで、ご家族も落ち着いた頃にいろんな思いを振り返ることができるようになるのかなと思っています。

ピアノを通じて、認知症のお客様と心を通わせたことも

─これまでの看護人生で、特に思い出に残っているのはどんなエピソードですか?

Oさん:入社10年目くらいの頃に、とある認知症のお客様を担当していたときのことです。その方はピアノの先生だったのですが、かなり重度の認知症で、最初はなかなかお部屋から出てきてくださらなくて。そこでご主人に、「私、生徒役をやってもいいですか?」と提案してみたんです。もしかすると、ピアノを習いに生徒が来たら、先生として教えたくなってお部屋から出てきてくださるんじゃないかと思って。

─なるほど!良いアイデアですね。

Oさん:ご主人も快諾してくださったので、私はバイエルという一番初心者向けのピアノ教本を買い、「先生、来ました」と生徒として声をかけました。すると今度はすぐにお部屋から出てこられて、ピアノを演奏してくださったんです!

認知症が進んでいたため、同じ箇所を30回くらい弾くようなこともあり、なかなか楽譜は先に進みませんでしたが、すごく丁寧に優しく教えていただいて。私自身、初心者で演奏はできなかったものの、その時間がとても楽しかったのを覚えています。

─素敵なエピソードですね。それでご自身でもピアノを始められたと?

Oさん:はい。そのお客様は私の転勤を機に他のスタッフに引き継いだのですが、ピアノには日頃と違った緊張感があっていいなと思いました。そこから自分でも趣味として始めて、もう7〜8年になりますね。今も、年1回の発表会に向けて練習中です。最初は仕事がきっかけでやり始めたことでしたが、今では私も純粋にピアノを楽しんでいます。

18年も仕事を続けてこられたのは、お客様がいたから

─やはり、「人」との関わりが、訪問看護における最大の魅力なのでしょうか。

Oさん:そうですね。これまで続けてこられたのは、やっぱりお客様のおかげです。心からの「ありがとう」や、「あなたがいてくれてよかった」といったお客様やご家族の言葉に支えられて、18年間やってきました。

私は以前、「人生の最後に、その人の手帳に名前が載る仕事だね」と人から言われ、たしかにそうだなと思ったことがあります。というのも、亡くなったお客様の手帳に、「今日はOさんが来てくれた」と私の名前が書き込まれていたのを拝見する機会があったんです。

「看護師さん」ではなく、名前で呼んでもらえる自分という一人の人間としてお客様と接することができるのは、本当に痺れるような経験で、何ものにも代えがたい財産だと改めて感じました。

─高いプロ意識を持ち、常にお客様とご家族にしっかり寄り添ってこられたOさん。訪問看護ならではの提供価値ややりがいがよく伝わるお話を、どうもありがとうございました!

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