訪問看護師の仕事内容は?元病棟看護師が感じた違い、1日の流れなど紹介 | 訪問看護のソフィアメディ求人・採用情報サイト

看護師

公開日:2025/07/08 最終更新日:2025/07/08

訪問看護師の仕事内容は?元病棟看護師が感じた違い、1日の流れなど紹介

「病院での看護経験はあるけれど、訪問看護師になったら具体的にどんな仕事をするの?」
「病院勤務との違いは何?」そんな疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

訪問看護師の仕事は、同じ「看護」でも病院勤務とは大きく異なります。本記事では、実際に病院から訪問看護に転職した看護師の体験談を交えながら、訪問看護師の具体的な仕事内容、1日の流れ、病棟看護との違いについて詳しく解説します。

訪問看護師の仕事とは。必要資格から病棟看護との違いまで

訪問看護師に必要な資格

訪問看護師になるために必要な資格は、看護師免許(正看護師)のみです。准看護師の採用を行うステーションもありますが、多くの場合は正看護師免許が求められます。特別な資格や長期間の研修は不要で、看護師免許さえあれば訪問看護の世界に挑戦できます。

訪問看護師の基本的な仕事内容

訪問看護師の仕事は、大きく分けて4つの業務領域で構成されています。

1. 医療的ケア

  • バイタルサイン測定(血圧、体温、脈拍、呼吸状態など)
  • 服薬管理・薬剤の仕分け・効果や副作用の観察
  • 点滴・注射管理
  • 褥瘡処置・創傷ケア
  • カテーテル管理(尿道カテーテル、胃ろうなど)
  • 人工呼吸器管理
  • 緩和ケア・疼痛管理 など

2. 生活支援

  • 日常生活サポート(清拭、入浴介助、排泄介助など)
  • 住環境調整・転倒予防のための環境整備
  • リハビリテーション・機能訓練
  • 認知症ケア
  • 栄養指導・食事管理 など

3. 相談・指導

  • ご家族への介護指導
  • 生活習慣改善アドバイス
  • 健康管理相談
  • 社会資源情報提供
  • 精神的ケア・メンタルサポート など

4. 多職種連携

  • 医師との情報共有・報告・相談
  • ケアマネジャーとの連携
  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士との連携
  • サービス担当者会議への参加
  • ケアプラン見直し提案 など

訪問看護師ならではの仕事内容

病棟看護にはない、訪問看護特有の業務があります。

オンコール対応

多くの訪問看護ステーションでは、お客様の急変に備え夜間・休日の緊急対応(オンコール)体制を整えています。訪問看護師が交代で担当します。電話での相談対応から、実際の緊急訪問まで、状況に応じた判断と対応が求められます。

訪問記録・計画書作成

ケアマネジャーや主治医など、外部連携先へ提出する訪問看護計画書の作成が必要です。自宅での生活状況やご家族の関わりなど、生活環境に密着した内容を書く必要があります。

  • 訪問記録の作成
  • 訪問看護計画書の作成・更新
  • 訪問看護報告書の作成
  • 医師への状態報告書
  • 保険請求に関わる書類作成 など

お客様・ご家族との深い関係性構築

病院では「患者様」として接していた方々と、ご自宅でご家族も含めた関係性を持つのも訪問看護師の重要な仕事です。お客様の生活の場に入らせていただくため、信頼関係の構築は欠かせません。

病棟看護師との主な違い

訪問看護の仕事イメージがつきやすいよう、病棟看護との違いを表にまとめました。

項目 病棟看護師 訪問看護師
看護の焦点 治療中心の看護 生活を支える看護
勤務形態 夜勤・交代制勤務 日勤のみ(オンコール対応あり)
患者様との関わり 約3カ月(退院まで)・日勤時5~8名、夜勤時10~16名など複数の患者様 年単位・4~6名など少数のお客様と深い関係
連携方法 院内での医療チーム 地域の多職種チーム
時間の使い方 1名1回あたりの病室滞在は5~15分程度 30分~1時間程度

病棟看護師経験はどう活かせる?

基本的な看護技術 :病院で培った医療処置技術(点滴、注射、創処置など)は訪問看護でも十分活用できます。むしろ、病院での豊富な臨床経験は、在宅でのアセスメント能力向上に大いに役立ちます。

疾患に関する知識 :さまざまな疾患の患者様を看てきた経験は、訪問看護でも重要な財産となります。ただし、病院では「治療」が中心だった視点を、「生活」を支える視点に転換する必要があります。

新たに必要なスキル:

  • 地域連携スキル:ケアマネジャーや地域の医療機関との円滑なコミュニケーションをとる力
  • 生活支援の視点:治療的観点だけでなく、「その人らしい暮らし」を支える発想
  • 家族との関わり方:ご家族との信頼関係を築きながら、ケアを共に進める力

「1日の流れ」で訪問看護の仕事内容を紹介

ここでは出勤から終業まで、訪問看護師におけるリアルな仕事の流れをご紹介します。今回は一例として、ソフィアメディの訪問看護師の1日に密着しました。

9:00 出勤・朝礼

訪問看護ステーションに出勤し、連絡事項の共有を行います。電話・メールの確認、夜間に緊急対応があった場合の引き継ぎや、当日の訪問予定の確認を行います。その他、下記の確認・準備を行います。

  • 担当するお客様の状態変化や注意点の共有
  • 訪問スケジュールの最終調整
  • 緊急度の高いお客様の情報共有
  • 必要な医療材料・物品の準備

病院との違い:病院の朝礼は一般的に、15分程度に10名ほどの申し送り、ひとりの患者様にかける時間が1分ほどです。訪問看護の朝礼では、一人あたりのお客様に関して5〜10分の申し送りが一般的です。

9:30 訪問準備・移動

訪問バッグに必要な物品を準備し、最初の訪問先へ移動します。移動手段はステーションによって異なりますが、自転車、電動自転車、自動車、公共交通機関などを使用します。

病院との違い:病院では病室から病室への移動でしたが、訪問看護では屋外での移動時間が発生します。天候や交通状況も、業務に影響します。

9:30〜11:30 午前の訪問(2〜3件)

※お客様の状況・パターンなどは、一例としてご紹介しています

1件目:医療依存度の高いお客様(60分)

  • 人工呼吸器装着の方への訪問
  • バイタルサイン測定、呼吸器の点検
  • 気管カニューレの管理
  • ご家族への状態説明と相談対応 など

2件目:リハビリ中心のお客様(45分)

  • 脳梗塞後遺症の方への訪問
  • バイタルサイン測定、服薬確認
  • 機能訓練・関節可動域訓練
  • 転倒予防のための環境調整アドバイス など

3件目:生活支援中心のお客様(30分)

  • 高齢で認知症のあるお客様への訪問
  • 血圧測定、服薬管理
  • 清拭・部分浴介助
  • ご家族への介護指導 など

病院との違い:病院では15〜30分程度で次の患者様に移りますが、訪問看護では30分〜1時間じっくりと1人のお客様に向き合うため、症状のことから何気ない雑談まで、会話によって関係性を深めていきます。

12:00〜13:00 昼休憩

ステーションに戻って昼食休憩を取ります。場合によっては、訪問先近くで休憩することもあります。同僚と情報交換をしたり、午後の訪問について相談することも多いです。

13:00〜16:30 午後の訪問(2〜3件)

4件目:終末期ケアのお客様(60分)

  • がん末期の方への訪問
  • 疼痛管理・症状緩和
  • 精神的ケア・傾聴
  • ご家族への精神的サポート など

5件目:小児のお客様(45分)

  • 重症心身障がい児への訪問
  • バイタルサイン測定、成長発達の評価
  • 医療的ケア(経管栄養、吸引など)
  • 保護者への指導・相談対応 など

病院との違い:病院では担当科によっては一定の年齢層になることが多いですが、訪問看護では新生児から高齢者まで、幅広い年齢層の方を担当します。

17:00 帰社・記録作成

ステーションに戻り、その日の訪問記録を作成します。お客様の状態に変化があった場合は、医師やケアマネジャーに連絡・相談を行います。

記録業務の内容例:

  • 訪問記録の入力
  • 看護計画の見直し
  • 医師への報告書作成
  • 翌日の訪問準備 など

病院との違い:病院では、院内医療チームに向けて電子カルテへの経過記録入力が中心でしたが、訪問看護では主治医・ケアマネジャー・薬剤師など多職種向けの報告書作成も重要な業務です。

17:30〜18:00 終業

翌日の準備を行い終業します。オンコール担当の日は、緊急時対応のための準備も行います。

病院との違い:夜勤がないため、ワークライフバランスが取りやすいと考える看護師もいます。

※1日の仕事の流れを動画で観たい方はこちら


【体験談】病院から訪問看護へ転職。仕事内容はこう変わった

実際に病院から訪問看護に転職した看護師たちの生の声を紹介します。転職前の想像と現実のギャップ、そして訪問看護ならではの発見について語ってもらいました。

担当科の範囲が全科に広がる

F.A.さん(救急看護認定看護師・ステーション緑が丘管理者) 

科別ではなく全部の科の患者様を担当するといった点や、どの人が重症度が高いかなどの優先順位を決めるトリアージが必要な点も似ていると思います」

細切れの時間から、じっくり向き合う時間へ

N.A.さん(病院勤務25年から転職) 

「病院では10分15分という細切れの時間でしか患者様と向き合えませんでしたが、訪問看護では30分なり1時間なり、そのお客様だけとじっくり向き合えるのがいいですね。病院は『病気を治すための処置』が大きな目的であるのに対し、訪問看護は『お客様の望む生活をできるようにすること』が第一です」

生活環境で「素」の顔を見て看護する

K.H.さん(ステーション学大・病院勤務5年から転職)

 「病院では外行きの顔しか見せない方でも、家にいるときはその方らしさが現れます。『素』の顔を見ることで、良い点も悪い点もその方を理解することができますし、より身近な存在になれるというのは、訪問看護をおすすめできる点ですね」

「看護師さん」から名前で呼ばれる人間関係へ

O.A.さん(ベテラン管理者・ソフィアメディ歴18年)

 「『看護師さん』ではなく、名前で呼んでもらえる自分というひとりの人間としてお客様と接することができるのは、本当に痺れるような経験で、何ものにも代えがたい財産だと改めて感じました」

訪問看護師、仕事のやりがいと大変さ

訪問看護ならではの魅力・やりがい、そして大変さはどんなところにあるのでしょうか?先輩の声を通してお伝えします。

訪問看護師のやりがい

お客様との深い信頼関係

「『あなたが来てくれるのを楽しみにしていた』といった言葉をかけてもらえると、この仕事を選んで良かったと心から思います」

専門性の向上と成長機会・働きながら学び続けられる環境 

「お客様のケアをする中で、もっと何かできたのではないかともどかしい思いをすることがあります。同じ思いをしたくない気持ちから繰り返し学び直し、知識をつけています。ALSのお客様の訪問を始めた時は人工呼吸器についても学び直しました」

終末期まで深く関われる

「特に印象的だったのは、とある終末期のお客様。途中、ご家族が不安になられて何度か夜の緊急連絡もありましたが、『最期は家で看取れてよかった』と言っていただけました。心から『頑張って良かった』と思えました」

訪問看護師の大変さ

移動の負担とスケジュール管理

道路渋滞や天候に左右されることがあり、特に自転車での移動が多い地域では体力的な負担を感じることがあります。1日に5~6カ所のお客様宅を訪問するため、時には予期せぬスケジュール変更への対応が求められます」

一人での判断責任

「最初はひとりで訪問をし、その場で判断をすることがとても不安でした。病院では医師や同僚の看護師がすぐそばにいましたが、訪問看護では何かが起こっても自分しかいないことに戸惑いました」

多職種連携の複雑さ

医師、ケアマネジャー、福祉職など、さまざまな地域の職種との連携が必要で、それぞれの専門性を理解し、情報共有を密に行う必要があります。慣れるまでは連携の複雑さに戸惑うかもしれません」

記録・書類作成の負担

「訪問記録、報告書など書類の種類が増えます。事務作業を効率よくこなさないと残業につながる可能性があります」

訪問看護師のキャリアプラン

訪問看護師の将来・キャリアは?

訪問看護師には、多様なキャリア形成の道筋があります。

  • 管理者・所長への昇進
  • 専門分野(専門看護・認定看護・特定行為看護)の資格取得
  • 教育担当・研修講師への道
  • 新規ステーションの立ち上げメンバー
  • 本社での企画・運営業務  など

特に管理職への昇進ルートは明確で、教育担当から主任、ステーション管理者、エリア統括管理者といったステップアップが可能な場合があります。

また、専門性を深める方向では、緩和ケア、感染管理、糖尿病看護などの在宅医療分野について、仕事を進める中で資格取得やスキルアップも可能です。

訪問看護師の平均月収

厚生労働省が、令和4年に全国467カ所の訪問看護ステーションを調査した際(有効回答数228ステーション)、看護師の常勤換算1人当たり給与費は月額452,951円(※1)でした。

一方、病棟も含む看護師全体では、厚生労働省の令和5年「賃金構造基本統計調査」において、所定内給与平均は月額319,300円(※2)とされています。

この比較から、訪問看護師の給与は、看護師全体よりも月額で約13万円多く、年間では150万円以上の差があることがわかります。

ただし、訪問看護師の給与には訪問件数に応じた手当や業務の裁量性が反映されている場合があり、病棟看護師は夜勤手当や賞与などが別途支給されるケースもあるため、実際の年収には幅が生じる可能性があります。それでも、基本的な月額ベースで見れば、訪問看護の方が報酬が高い水準にあると言えるでしょう。

(※1) 厚生労働省 令和4年度介護事業経営概況調査結果P.9
(※2) 厚生労働省「令和5年 賃金構造基本統計調査」表1より
職種コード1133「看護師」、性別:男女計、企業規模10人以上、所定内給与額の平均値  

理念は「『生きる』を看る」。ソフィアメディで訪問看護の仕事をはじめませんか

ソフィアメディで未経験者が活躍する理由

ソフィアメディでは、約80%の看護師が訪問看護未経験からスタートしています。この高い割合が示すのは、充実したサポート体制により、未経験者でも安心して訪問看護師として成長できる環境が整っていることです。

段階的な成長を支える教育プログラム

新入社員研修(4日間)

  • ソフィアメディの理念など、訪問看護の考え方や経営方針の理解
  • 訪問看護の基礎知識習得
  • 制度・システムの理解

12カ月間の新人教育プログラム

厚生労働省の「新人看護職員研修ガイド」を元に作成された全国標準の学習プログラムで、訪問看護に必須の知識・スキルを段階的に身につけていくことができます。

チーム支援型サポート

新人看護師の教育を特定の指導者に絞らず、チーム全体で新人スタッフの教育を支援する「チーム支援型」を採用。複数の先輩から専門性の高い指導を受けることができます。

ソフィアメディの研修制度について詳しく知りたい方は、採用サイトの「教育・研修」をご覧ください

働きやすさを追求した独自制度

働き方支援制度「WOW!(Work for Our Wonderful life!)」

身体的負担を軽減する制度・設備

  • 夜間タクシー利用制度:22時以降の緊急出勤時は会社負担でタクシー利用可能
  • 引越支援金制度:緊急対応に備えた引越費用を上限20万円まで会社負担
  • 夜間訪問後のインターバル制度:22時以降の訪問後は翌日4時間分の代休取得可能
  • 個人用iPad配布:効率的な電子カルテ操作と記録作成
  • 高性能電動自転車・社用車:移動負担を軽減する交通手段の提供

精神的負担を軽減する制度

  • 「ケア休暇」の拡大:生理休暇を含む各種休暇の心理的申請障壁を軽減
  • 1時間単位で取得可能な有給休暇:柔軟な休暇取得でワークライフバランスを向上

「ここいろ社員」制度

育児や介護中の社員が「オンコールなし」「土日祝休み」などの働き方を選択できる制度。ライフステージが変わっても、訪問看護師として長期的にキャリアを積むことが可能です。

ソフィアメディの福利厚生についてより詳しく知りたい方は、採用サイトの「制度・福利厚生」をご覧ください

CUCグループの安定基盤

2019年に東証グロース上場のCUCグループに参画し、安定した経営基盤を確立しています。従業員数1,572人(2024年3月時点)の規模で、全国展開を積極的に進めています。訪問看護師として安心して新しいキャリアをスタートできます。

訪問看護は、お客様一人ひとりとより深く関わり、「その人らしい生活」を支える、やりがいに満ちた仕事です。病院での経験を活かしながら、新しい看護の世界に挑戦してみませんか。

ソフィアメディで訪問看護師として働きませんか?

まずは気軽に施設見学や説明会にお越しください。実際の雰囲気を感じていただくことで、新たな一歩を踏み出す勇気が湧いてくるかもしれません。

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