スタッフの「生きる」に、もっと向き合いたい。 現場の声から生まれた、新しい健康支援制度とは | 訪問看護のソフィアメディ求人・採用情報サイト

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公開日:2026/05/11 最終更新日:2026/05/12

スタッフの「生きる」に、もっと向き合いたい。 現場の声から生まれた、新しい健康支援制度とは

羽田 真博

羽田 真博

ソフィアメディ 事業企画G / 第二事業部部長

ソフィアメディでは2026年度より、スタッフの健康を会社として支える新たな3つの施策を導入します。 健診休暇の新設、健診オプション費用の補助、婦人科オンライン診療の導入。 いずれも現場スタッフの声を起点に生まれた取り組みです。 なぜ今、この施策なのか。 起案者である第二事業部部長の羽田真博さんに、その背景と想いを聞きました。

 

「辛い」って言えない——医療業界に特有の無自覚な「我慢しすぎ」の文化

今回の新しい制度について、導入のきっかけを教えてください。

羽田:18歳の頃から長く医療介護業界に従事してきましたが、常に女性が多い環境でした。その中で、同僚や部下、時に上司から女性ならではの心身の悩みについて、相談や愚痴、情報共有を受けることがありました。時に、女子会にお招き頂くこともあり、比較的、相談しやすい(愚痴を言いやすい笑)タイプだったのかもしれません。 

ソフィアメディでも同様の状況がありました。スタッフの大半は医療専門職であり、基礎的な知識がある分、辛さや不安を自身でコントロールしようとしてしまう人が多いのかもしれません。人手不足や責任感の強さも相まって、「SOSを出していいライン」の閾値が異業種と比較しても高いようにも感じます。

特に、女性特有の悩みについて、そもそもソフィアメディには明確な相談窓口がなく体制も整っていませんでした。医療従事者ならではの専門知識、彼女たちの献身性・業界文化に無意識に頼ってしまい、そのような状況に陥っていたのかもしれません。

正直に申せば、男性の私がそれらに関する課題の仮説段階から率先して解決しようとすることに対し、心理的抵抗は0ではありませんでしたが、現場スタッフの声を受け、この組織課題を健康経営という観点から会社として正面から取り上げた方がよいのでは?と考えたタイミングでサステナビリティコンテスト※が重なりました。

CUCグループが開催する、全社員を対象にサステナビリティを推進する事業アイデアを募るコンテスト

PMSや更年期障害は個人差が大きい。だから、なかなか言い出せない

スタッフの方々は、体調のことをなかなか言い出せないのでしょうか?

羽田:そうなんです。一部のスタッフにヒアリングしてみると、「確かに……言われてみれば私たちは言わないですね」という声がありました。仕事に影響が出ている場合はさすがに上司に伝えると思うのですが、有給休暇の範囲で何とか解決できてしまう場合は、あえて伝えないスタッフが多いようです。

事実、過去には直属の上長には伝えないが私には知っておいて欲しいというケースもありました。その後の状況によっては伝えるということでしたので、上長との信頼関係に課題があったとも思いません。ご自身でのセルフアセスメントの結果、今はまだ私にだけ伝えておけばよいという帰結に至ったのだと思います。

なぜ言いにくいのでしょうか?

羽田:お客様の生命や生活に直結する仕事に従事しているからこそ、責任感や「迷惑をかけたくない」という気持ちが強いのだと思います。そこに人手不足が重なると尚更に。

また、PMSや更年期障害は個人差がとても大きいものだと捉えています。当人にとっての辛さを抱えていても「このくらい当然」と自身に言い聞かせてしまう文化が、業界全体に根づいているように思いますし、「その程度で?」という同性からの声が、より抑止的に働いている側面もあるのでは?と思慮しています。

私が病院で働いていた頃、妊娠中の辛さがある中で泣きながら働いているスタッフがいました。客観的に見れば特異な光景なのですが、周囲も特に問題にしていませんでした。「生存者バイアス」があったのかもしれませんし、単純に私が見えてない部分での配慮があったのかもしれません。

ただ最近は、妊娠中のスタッフへ周囲の配慮が明確に増えるなど、時代や認識、それに伴う労働環境は確実に変わってきていると感じます。重ねて、そういった時に組織を支えている側の負担にも着目すべきであるとも考えます。

採用を無闇に繰り返すより「今いるスタッフが健康的に、長く働き続けられる環境」を

他社と比べて、ソフィアメディの制度は遅れていた?

羽田:たとえば健康診断は法律上の義務ですが、ソフィアメディではこれまで有給休暇を消化して受けてもらう形でした。他社には有給休暇とは別に健診休暇を設けるなど、規模の小さい法人でも手厚い対応をしているところもあります。我々は、そこへの支援策が手薄でした。これは当然、離職の要素にもなり得ます。小さなことでも、このような組織課題の解決に着手せず採用を繰り返すより、まずは既存のスタッフが健康で長く働き続けられる環境を整えたいと思いました。

先行する制度として、「ここいろ社員制度」があります。育児や介護中のスタッフが、オンコールなし・時短勤務・土日休みなどを選択しながら、正社員として働き続けられる制度です。スタッフが長く、安心して働き続けられる環境を作るという思想は、今回の健康支援制度と根底では繋がっています。

2日半で全社員の5割以上、748件のアンケート回答。優勝することを決めた日

「健診休暇の新設、健診オプション費用の補助、婦人科オンライン診療の導入」この具体的な三本柱はどのように決まったのですか?

羽田:全社員に施策案のアンケートを実施したところ、2日半で748件もの回答が集まったのです。この回答数は毎月の社内アンケートの倍以上であり、想定の7〜8倍の数でした。健診休暇やオプション費用補助に関する改善を求める声は過去にも散見されていましたが、あくまでも散見程度。短期間でここまでの反応があるとは思ってもみなかったというのが率直な感想です。その多くの声の中から「実現を強く希望する」という声が多かったものを優先しました。

アンケートを通して気づいたことはありましたか?

羽田:低用量ピルや更年期障害治療薬の費用補助については、男性の関心がとても低かったことが印象的でした。後者に関しては、男性もあるのですが、女性の更年期障害ほど取り沙汰されないことや、経験しないこと=「自分には直接関係がない」となっているのかもしれません。一方で、すぐ傍で一緒に働いている人達への想像力を働かせれば「ぜひ実現してほしい」という比率はもっと上がるはずです。経験がないと感度が上がりにくいのは仕方ないのかもしれませんが、そこにデータとして差が出たのは興味深かったですね。

重ねて、この日をキッカケにサステナビリティコンテストで優勝すると決め、それから逆算して設計をし始めました。当初は、私にとってサステナビリティコンテストはタイミングが重なっただけのおまけ要素であり、その結果は関係なくソフィアメディとして取り組めばよいと考えていましたが、優勝することで、より確実に実現の確度が高まり、結果として多くのスタッフの声に応えるための最短・最速コースだと考えたからです。

業界でも珍しい「低用量ピル」や「更年期障害治療薬」の補助

「健康支援制度」の具体的な中身についてお聞かせください

羽田:女性特有の症状と労働生産性の低下の関連性は、各種論文・公的データ等から見ても明らかです。また、現役世代の女性は乳がん・子宮頸がんの罹患率が高く、子宮頸がんワクチンを接種していない世代がちょうど現役世代にさしかかっています。「検診のオプション費用がかかるから」と精密検査を見合わせた結果、より進行した状態で発見されてしまうケースもあります。事実、それを理由にオプション検査を見送っているスタッフもヒアリングやアンケートの中で散見されました。少しの補助で「あの時検査しておけば」が減るならば素晴らしいと思います。

「低用量ピル」と「更年期障害治療薬の補助」についてはいかがですか?

羽田:低用量ピルについては、副作用への懸念もちゃんと踏まえた上で、ピルによってパフォーマンスが安定するなら本人にとっても組織にとってもその方が建設的だと考えます。実際に、PMSが重く薬が手放せないというスタッフもいます。更年期障害に対しても同様の考え方です。給与を上げると社会保険料も増えるため、昇給分=手取り額増とはなりませんが、こうした補助という形であれば、実質的な手取り増となります。本来であれば、自己負担となる部分を会社が補助しますので、浮いた分はご自身や大切な人のために使って欲しいですね。

健診休暇と健診オプション費用の補助についても教えてください。

羽田:健康診断は会社から受けるよう課せられた義務なのに、有給休暇を使うというのは納得感がないですよね。健診休暇として別枠で設けることで、休みを削らずに行けるようにしたかったのです。オプション費用の補助は、乳がん・子宮頸がん検診が健診でオプション扱いになっており費用がかかるため、そのハードルを下げるものです。

「婦人科オンライン診療」はどのような仕組みですか?

羽田:年に1回の対面診療を必須とした上で、それ以外はスマートフォンで相談・処方が完結できます。エコー検査も用いて専門機関で専門医にきちんと診てもらえるため、精度も高いです。また、オンライン診療であれば予定を立てやすいという面もポジティブな要素だと考えます。

サステナビリティコンテスト優勝。

「『生きる』を看る」を実現するために、スタッフの「生きる」に向き合う

羽田:お陰様で優勝したことにより、全社的に注目度が上がりました。優勝はゴールではなくスタートであり、その取り組みは継続して報告し、関連会社含め共有もされます。

今回、企画設計をするに伴い、福利厚生系の論文を複数読みましたが、何でもリッチにすればいいという話ではないということも分かりました。活用される制度を適切に導入することでスタッフの満足度も上がる、それ以外はただの無駄遣いなんです。今回の施策はあくまでも第一弾です。今後、第二弾、三弾と施策を設計していく上で、その効果効能を測り続けると共に、スタッフ一人ひとりの責任感やプロ意識に甘えすぎず、パフォーマンスが万全でない日を可能な限り仕組みや構造で減らし続けたいと考えています。

私は、今は直接お客様と接することのない立場にありますが、その時代は療養環境の設計を大切にしていました。現在は、それと同様にスタッフの皆さんがお客様の「生きる」に向き合えるよう労働環境の設計の観点から、私はスタッフの「生きる」と向き合い、その「生きるを満たす」ということを自身の責任としています。そして、その日々の営みが、「安心であたたかな在宅療養を日本中にゆきわたらせ、ひとりでも多くの方に、こころから満たされた人生を」 というソフィアメディのビジョンの実現に繋がると信じています。

ソフィアメディに興味を持つ皆さんへ、お伝えしたいこと

ソフィアメディに興味を持っている皆さんへのメッセージをいただけますか?

羽田:ソフィアメディというよりも、在宅医療/看護・訪問看護に興味関心を持っていただけると嬉しいです。鶏が先か卵が先か…ですが、業界で働きたいと思える方が増えれば増えるほど各企業も健全な企業努力を重ね、労働環境水準が上がっていくと思うので。

その上で、ソフィアメディとしては、その労働環境を業界内比較に留まらず、どの業種と比較しても水準の高い環境とすべく、これからも改善を続けます。

今回の施策も先述した通り、「スタッフの声」が起点です。その施策はスタッフの「生きる」と適切に向き合えているのか?それを実現することで、これまで以上にスタッフはお客様本位の下、ケア・リハビリテーションに没頭できるのか?それを支えるスタッフ含め、生き生きと長く働きたいと思える環境となるのか?経営としては、それをどこまで実行できるのか?に尽きると考えます。

まだまだ道半ばではありますが、本インタビュー記事をご覧頂き、少しでも興味関心をお持ち頂けた方がいらっしゃったら、是非、採用説明会やカジュアル面談にエントリーしてくださいね。心より、お待ちしております!

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多様な強みを持つ、たくさんの仲間を募集しています。