訪問看護の道を選ぶ場合、病院で数年間勤務してから決断を下す人が多いもの。 しかし中には、病院で10年20年と長い経験を積んでからキャリアチェンジする人もいます。 今回インタビューしたNさんもその一人です。看護師キャリアは20年以上。 ソフィアメディに来て3年目ながら、豊富な経験と知識が評価され、2021年10月から新規開設ステーションの管理者に就任されました。 そんなNさんに、病院での経験が長かったからこそ分かる、訪問看護の良さについて深掘りしてみました。
※2011年10月時点の記事です。
20年以上のキャリアを築いた病院を離れ、訪問看護の道へ転職
──そもそも、最初に看護師を目指したキッカケは何でしたか?
Nさん:9人家族で育った私は、子どもの頃から祖父母が亡くなっていくのを側で見ていました。自宅での看取りでしたが、「自分は何もできなかった」ということが強く心に残っていて。それがキッカケで看護師を目指しました。
──病院での看護師歴は約25年。そこから訪問看護師へ転職しようと思った理由を教えてください。
Nさん:実は30代前半の頃にも一度、訪問看護の道に進みたいと思ったことがあります。最初にいた大きな病院では、訪問看護もやっていたので。それでケアマネジャーの資格も取得したのですが、当時の上司に「まだ若いのに」「もっといろいろ経験してからにしたら?」などと引き留められ、そのときは諦めてしまいました。
でも、2つの病院でいろんな経験を積み、「もう病院はいいかな…」と思うようになって。そろそろ在宅に挑戦したいと考え、ソフィアメディにエントリーしました。最初にチャレンジしようと思った時から少し時間は経ってしまいましたが、
前からやりたかった訪問看護の仕事ができて、今は毎日がとても充実しています。
──転職活動中は、2社を受けられたそうですね。その中で、ソフィアメディに入社した決め手は何でしたか?
Nさん:訪問看護が初めての私でも、不安なくスタートを切れそうだと思ったからです。フォロー体制が心配だったのですが、面接のときにしっかりとした教育体制やフォロー体制が整っていることをご説明いただき、安心感がありました。
実際、入職後の研修は、名刺の渡し方などからレクチャーしてもらえて、とても丁寧でした。また、一緒に入職した同期の皆さんと知り合えたことも、大きな安心材料になりましたね。
お客様と向き合う時間も、自転車での移動中も。訪問看護にしかない良さがある

─訪問看護のやりがいはどんなところですか?
Nさん:病院では10分15分という細切れの時間でしか患者さんと向き合えませんが、訪問看護では30分なり1時間なり、そのお客様だけとじっくり向き合えるのがいいですね。「あなたが来ると元気が出る」と言ってもらえたり、言葉がなくてもスッキリした表情に変わったり。お客様の笑顔を見ると、こちらも元気をもらえます。
また、特に印象的だったのは、とある終末期のお客様。最初はもう1週間ももたないと思われていたのですが、2週間以上ゆっくりご自宅で過ごされました。途中、ご家族が不安になられて何度か夜の緊急連絡もありましたが、最後は「家で看取れてよかった」と言っていただけて。心から「頑張って良かった」と思えましたね。
──働いてみて感じた訪問看護と病院の違いを教えてください。
Nさん:はい。病院は「病気を治すための処置」が大きな目的であるのに対し、訪問看護は「お客様の望む生活をできるようにすること」が第一です。つまり、病気だけではなく、その方の人生にフォーカスし、お客様が望む生活が送れるよう必要なケアやサポートを行います。
そのため、訪問看護では患部を徹底的にケアすることを最優先するのではなく、「次にヘルパーさんが入るまでに、お客様が安全に過ごせるように」など生活に重きを置いた視点で、お客様が本当に必要としているところを重点的にケアしていく。その重要性を、現場に行き始めてから学びました。
──他にも「病院と全然違うな」と思ったことがあれば教えてください。
Nさん:自転車での移動は、正直つらいときもありますね。でも移動中、「次のお客様のために、何ができるだろう」と考える時間はとても好きです。
また、自転車だからこそ見つけられる、移動中の楽しみもあります。「ここに○○のお店がある。」なんて、時々お昼休みに寄り道をすることも。穴場のお店など、車だとなかなか気づかない発見があったりして、ワクワクしますよ。
ご家族やスタッフ一人ひとりにも、丁寧に向き合える管理者を目指したい

──10月から、新規開設ステーションで管理者になられたNさん。どんなステーションにしていきたいですか?
Nさん:地域から信頼され、ご家族からも「ここを選んでよかった」と言っていただけるようなステーションになれば一番うれしいです。そのためには、ご本人はもちろん、ご家族ともしっかりコミュニケーションを取っていきたいですね。
例えば今も、ご本人の様子だけでなく、「ご家族が負担を感じていないか」「気分転換はできているか」なども必ず確認するようにしています。何かあればケアマネジャーさんにもフィードバックして、一緒に負担を軽減する方法を模索する。そうした連携を大切にしています。
──スタッフに対しては、どんな管理者でありたいですか?
Nさん:嫌なことやツライことがあると、やっぱり表情や言葉に出ると思うので、そういうサインは見逃さずにしっかり話を聞いてあげられる管理者になりたいです。次の新しいステーションはスタッフ3名程度の少数チームなので、一人が崩れてしまうとおそらく全体に影響が及びます。だからこそ、一人ひとりと密にコミュニケーションを取っていきたいです。
それから個人的には、社内で表彰されるステーションにしたいですね。そういうものがあれば、みんなのモチベーションももっと上がると思うので。
年齢も、経験も、ブランクも関係ない。ソフィアメディの訪問看護には挑戦する価値がある
──現在、訪問看護やソフィアメディへの転職を迷っている方に向けて、会社の良いところを教えてください。
Nさん:私はソフィアメディで使われる「あの手この手、打つ手は無限」という言葉が大好きです。仕事で行き詰まったときにも、「もうちょっと考えてみたら、何か打つ手が出るんじゃないか」と常に思っています。
幸い、ソフィアメディにはいろんなことを経験してきた看護師さんたちがいます。一人で解決するのが難しいときは、周りにアドバイスを求める。そして、そこでのベストだと思う選択をしてサービスを提供する。私はいつもそんな風に動いています。
また、メリハリがある働き方ができるのも、ソフィアメディの良いところです。たまに遅くなる日もありますが、私のステーションではみんな大体9時〜18時で帰れていますよ。
──ソフィアメディは、どんな人に向いている会社だと思いますか?
Nさん:ソフィアメディに来たいと思ってくれた時点で、どんな方でもウェルカムです。私みたいに長い病院づとめからでも転職できますし、フォロー体制が整っているので、出産・育児などの復帰先に考えている方にも良いと思いますよ。
「医師から直接指示がもらえないから、訪問看護はちょっと…」と躊躇している方もいるかもしれないし、日勤帯や年齢のことを不安に感じている方もいるかもしれません。でも、退院後のお客様やご家族との生活をサポートできるこの仕事は、大いに挑戦する価値があります。ソフィアメディは母体が大きくて育成体制もしっかりしている会社なので、ぜひ勇気を出して一歩を踏み出してみてほしいです。
──キャリア20年以上のベテラン看護師ながら、謙虚で誠実な姿勢が印象的だったNさん。きっと新しいステーションでも、管理者として大いに活躍されることでしょう。貴重なお話をありがとうございました!
訪問看護へ転職をするために知っておきたいこと
「夜勤の負担が重くなってきた」「収入を下げずに働き方を変えたい」「でも転職で失敗するのは怖い……」 このような悩みを抱える看護師の皆さんにとって、訪問看護は魅力的な選択肢の一つです。
しかし、病院での勤務とは異なる環境のため、転職前にしっかりと情報収集をしておきましょう。
本記事では、訪問看護への転職でよくある失敗パターンと、それを避けるためのチェックポイントついて説明します。看護師経験者が収入を維持・向上させながら、より充実したワークライフバランスを実現できる道筋もご紹介します。
訪問看護への転職でよくある失敗パターン5選
実際に訪問看護の分野に転職した看護師たちから聞いた、よくある失敗パターンをご紹介します。これらを事前に知っておくことで、転職後のミスマッチを防ぎましょう。
1. オンコールの負担が想像以上だった
「夜勤なし」という条件に惹かれて転職したものの、緊急時のオンコール対応の頻度や負担が想像以上に重く、結果的に休日や夜間に呼び出されることが多かったという事例です。
失敗を防ぐポイント:オンコール体制はステーションによってさまざまです。詳細(頻度、手当、翌日のフォロー制度など)を必ず確認しましょう。
2. 教育体制が不十分だった
「未経験歓迎」という募集だったものの、実際には十分な研修期間がなく、いきなり一人で訪問することになり、不安とプレッシャーに押しつぶされそうになったという例です。 失敗を防ぐポイント:新人研修の期間や内容、同行訪問の内容などを具体的に確認しましょう。困った時にはすぐチームや先輩に相談できる体制かどうかも大切なチェックポイントです。
3. 給与が期待より低かった
訪問件数が少ない月は歩合部分が減り、想定していた収入に達しなかったという失敗例です。残業があるのに残業代が出ない、といったケースも避けたいところです。 失敗を防ぐポイント:給与体系(固定給と歩合給の割合)を理解し、最低保証額があるかを確認しましょう。残業については月にどのくらい発生するかも含めて、手当を確認しましょう。
4. 職場の人間関係に問題があった
小規模なステーションで人間関係がこじれてしまい、相談できる相手がおらず孤立してしまったケースです。
失敗を防ぐポイント:面接時にステーションの雰囲気を観察し、可能であれば職場見学をお願いしましょう。上司や人事部などに相談できそうか、も大切な点です。
転職前に必ず確認すべき6つのチェックポイント<
1. オンコール体制の詳細
- 月に何回程度オンコールが回ってくるのか
- オンコール手当の金額
- 夜間出動後のインターバル制度(一定時間の休養を確保する)の有無
- 緊急時のサポート体制(先輩や医師への相談体制)
2. 給与・手当の内訳
- 基本給と各種手当の詳細
- 歩合給の有無と計算方法
- 昇給・賞与の実績
- 交通費やガソリン代の支給状況
3. 教育・研修制度の充実度
- 新人研修の期間と内容
- 同行訪問が可能か・回数はどのくらいか
- 新人研修など新人育成フォロー体制の有無
- 継続的なスキルアップ支援
4. 運営母体の安定性
- 会社の設立年数と実績
- 財務状況の安定性
- 事業拡大の状況
- グループ企業の存在
- 理念・医療に対する考え方
5. 職場見学・体験の可否
- 実際のステーションを見学できるか
- スタッフの雰囲気を確認できるか
6. 勤続年数や女性の管理職比率
- 平均勤続年数
- 離職率
- 産休・育休取得実績
- 管理職への昇進実績
病院の経験が訪問看護で活きる3つのメリット
病院勤務経験は、訪問看護において大きなアドバンテージとなります。特に中堅の方や、ベテランと言える年数を重ねた方には、以下のようなメリットがあります。
1. 病院経験を活かしたキャリアアップの道筋
病院での豊富な臨床経験は、訪問看護において即戦力として評価されます。特に以下の経験が重宝されます。
- 内科・外科の幅広い疾患への対応経験
- 緊急時の判断力と迅速な対応能力
- 多職種連携の経験
- 患者・家族とのコミュニケーション能力
これらの経験を活かし、管理者やチームリーダーとしてのキャリアパスも開けます。
2. 夜勤なしでも収入を維持・向上させる方法
「夜勤がなくなると収入が下がる」という不安をお持ちの方も多いでしょう。しかし、訪問看護では以下の方法で収入を維持・向上させることが可能です。
- 各種手当の活用:オンコール手当、緊急訪問手当、エンゼルケア(ご逝去された方の体を清潔にし、尊厳を保つための処置)手当などを活用
- 役職手当/昇給額等:経験を活かして主任や管理者ポジションに就く
実際に、病院から訪問看護に転職し、年収がアップした看護師も少なくありません。
3. 管理職への昇進機会
訪問看護業界全体への人材ニーズが高まっている中、経験が浅い看護師も多く転職しています。そのような中で、中堅以上の転職者、ベテランは下記のような理由で重宝されます。
- 人材育成の必要性:若手を指導できる中堅・ベテランの存在は重要
- 医師との連携:豊富な臨床経験により、医師との円滑な情報共有が可能
- 家族への指導力:病院での患者指導経験を活かし、家族へのケア指導ができる
- 危機管理能力:緊急時の対応経験により、安心して任せられる
大手企業?中小企業?訪問看護ステーションの選び方
訪問看護ステーションは運営母体により特徴が大きく異なります。転職先を選ぶ際の判断基準をご紹介します。
企業規模による違い(大手企業と中小企業)
大手企業のメリット
- 経営基盤が安定している
- 教育制度が体系化されている
- 福利厚生が充実している
- キャリアパスが明確
- 転勤や異動の選択肢がある
中小企業のメリット
- 柔軟な働き方が可能
- 経営陣との距離が近い
- アットホームな雰囲気
- 家から近いステーションを選べる
教育制度・福利厚生の充実度比較
転職活動には、以下のような「働きやすさ」に配慮した制度の確認も大切です。
- 研修制度:入社時研修、継続教育、資格取得支援
- 働き方支援:時短勤務、在宅ワーク、フレックス制度
- 育児支援:産休・育休制度、ベビーシッター補助、子育て社員制度
- 健康支援:健康診断、メンタルヘルス支援、EAP制度
キャリアパスの多様性
長期的なキャリア形成を考える際は、以下の選択肢があるかを確認しましょう。
- 管理者・所長への昇進
- 専門分野(専門看護・認定看護・特定行為看護)の資格取得
- 教育担当・研修講師への道
- 新規事業所の立ち上げメンバー
- 本社での企画・運営業務
ソフィアメディが転職者に選ばれている5つの理由
最後に、多くの転職者から選ばれているソフィアメディの特徴をご紹介します。
1. 女性管理職比率62%(キャリアアップの実績)
ソフィアメディでは、女性管理職の比率が62%と、日本の一般企業平均12.7%(※1) を大幅に上回る高い水準を実現しています。これは、訪問看護業界が属する医療・福祉業界の平均52.7%(※2 )をも上回る数値で、性別に関係なく実力を発揮できる環境が整っていることを示しています。病院での経験を活かし、管理職として活躍している転職者も多数います。
※1 厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」P.4 課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は 12.7%
※2 厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」P.6 課長相当職以上の管理職に占める女性の割合を産業別にみると、医療,福祉(52.7%) が突出して高い
参考:数字で見るソフィアメディ
2. 約80%が未経験スタート(充実した教育体制)
ソフィアメディでは、転職者の約80%が訪問看護未経験からのスタートです。この高い割合を支えているのが、以下の充実した教育体制です。
- 4日間の新入社員研修:会社理念から訪問看護の基礎まで
- 12カ月間の新人教育プログラム:厚生労働省ガイドラインに基づく体系的な教育
- メンター制度:先輩看護師が個別にサポート
- チーム支援型教育:複数・他職種の先輩がチームでフォロー
※未経験の方に対するフォロー体制について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください
【体験談あり】未経験から訪問看護に挑戦できる?安心とやりがいを叶える職場とは
3. CUCグループの安定基盤(大手企業の安心感)
2019年に東証グロース上場のCUCグループに参画し、安定した経営基盤を確立しています。従業員数1,572人(2024年3月時点)の規模で、全国展開を積極的に進めており、転職後の安定性があります。
4. 公募制度「Dream」でキャリアの可能性を広げる
ソフィアメディの親会社であるCUCグループでは、社員の主体的なキャリア形成をサポートする公募制度「Dream」を導入しています。年2回実施されるこの制度では、CUC本体だけでなくグループ企業を含めた横断的な異動にチャレンジできます。2024年度は49名の応募があり、そのうち20名が「Dream」を使ってキャリアチェンジを実現しました。
訪問看護での経験を活かして、グループ内の他事業(医療機関運営、在宅医療、介護事業など)にキャリアを広げることも可能で、それまでとは異なるアプローチで医療・福祉に貢献する道も開かれています。
※「Dream」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください
公募制度「Dream」が導いたキャリアの転機_「お客様の満足」を軸にキャリアを拡張していく
5. 働きやすさを追求した制度設計
転職者が安心して長く働けるよう、以下の制度を整備しています。
働き方支援制度「WOW!」
- 夜間タクシー利用制度(22時以降の緊急出勤時)
- 夜間訪問後のインターバル制度(翌日4時間の代休)
- 引越支援金制度(最大20万円の補助)
※「WOW!」について詳しく知りたい方は、人事制度・福利厚生 のページをご覧ください
「ここいろ社員」制度
- オンコールなし・土日祝休みの働き方選択可能
- 育児・介護中の社員向けの柔軟な勤務体系
- ベビーシッター費用補助
- 1時間単位での有給取得可能
※「ここいろ社員制度」について詳しく知りたい方は、人事制度・福利厚生 のページをご覧ください
転職先を選ぶならソフィアメディ
大手企業の安心感と、アットホームさ・人の良さ
訪問看護は、看護師としての専門性を活かしながら、より深くお客様と関わることができる魅力的な仕事です。適切な準備と情報収集を行えば、きっと満足のいく転職を実現できるでしょう。
ソフィアメディでは、転職を検討している看護師の方向けに、オンライン説明会や見学を随時開催しております。まずは気軽にお越しください。ご自身の目で、実際に働く環境をチェックして不安や疑問を払拭できる機会です。皆さまの「訪問看護」という新しいキャリアへの第一歩を、心よりお待ちしております。