転職ノウハウ
公開日:2026/09/24 最終更新日:2026/09/24
【例文あり】訪問看護の履歴書はどう書く?看護師の転職で採用担当が見るポイント

病院で働いてきた看護師が訪問看護への転職を考えるとき、「これまでの経験をどう履歴書に書けばアピールになるのかわからない」と悩むケースは少なくありません。この記事では、看護師が訪問看護に応募する際の履歴書の書き方を、項目ごとの記入ルールから、キャリアの棚卸しの仕方、実際に近いモデル文例、採用担当に伝わりやすくなるポイントまで解説します。
この記事では、最低限おさえておきたい基本のマナーと、書けるとより伝わりやすくなる工夫を紹介します。すべてを完璧に満たす必要はありませんので、書けるところから取り入れてみてください。
看護師が訪問看護に応募するとき、履歴書で伝わりやすくなるポイント
データ作成が主流。手書きは「丁寧に書こうとしているか」が大切
履歴書は、手書き・データ(PC)作成のどちらでも問題ありません。字から人柄や熱意が伝わるという理由で、手書きに好印象を持つ採用担当者もいますが、大切なのは手段そのものよりも「丁寧に仕上げようとしているか」です。どちらを選んでも、その姿勢は伝わりやすくなります。
ソフィアメディ 採用担当■採用担当コメント
現在は履歴書をデータ(PC)で作成する人が圧倒的多数で、手書きは全体の1割程度(10枚に1枚あるかないか)にとどまります。手書きの場合、字の綺麗さそのものよりも「丁寧に書こうとしているか」が見られており、急いで書き殴ったような字は印象を下げてしまいます。
写真は「接遇の入り口」。第一印象が伝わる部分
写真は、履歴書のなかでも最初に目が留まりやすい部分です。一般的には、3か月以内に撮影したもの、スーツなどきちんとした服装、清潔感のある髪型・濃すぎない自然な化粧が基本です。利用者様やご家族と近い距離で接する仕事だからこそ、表情や清潔感が伝わる写真だと、安心感につながります。
ソフィアメディ 採用担当■採用担当コメント
履歴書の写真は、白黒印刷であっても最初に目がいくポイントです。写真は「接遇の入り口」ともいえる部分で、服装が整っているか(襟元が開きすぎていないかなど)といった点が見られています。
最近はスマートフォンでの自撮り写真も増えていますが、アングルが斜めだったり、影が強く入っていたりする写真は、本来の印象が正しく伝わらない可能性があります。相手がどう見るかを考えることは、訪問看護で大切な「相手の気持ちを想像する視点」にもつながるので意識してみるとよいでしょう。
履歴書は、応募先ごとに更新を
日付や志望動機の使い回しは、業界を問わず転職活動でマイナス評価につながります。また、履歴書はなるべく空欄を作らないことが大切で、特に志望動機や自己PR欄は、8割ほど埋まっていると熱意が伝わりやすくなります。訪問看護だから特別厳しいということではなく、一つひとつの応募先に向けてしっかり準備して臨む姿勢が、結果として採用担当にも伝わります。
ソフィアメディ 採用担当■採用担当コメント
履歴書の日付が空欄になっていると、「他社への使い回しなのかな?」と余計な懸念を持たれ、「弊社への志望度が低いのかな」という印象につながってしまうことがあります。
また、直近の職歴が更新されていないと、ご自身の最新のご経験や魅力が正確に伝わらず、非常にもったいないポイントになってしまいます。書類を提出する際は、提出日の日付を記載し、直近の職歴までしっかり更新できているか最後に確認してみましょう。
職務経歴書は「まとめすぎ」より「勤務先ごとに具体的に」
職務経歴は、担当した診療科・処置内容・エピソードまで具体的に書いておくと、これまでの経験が正しく伝わりやすくなります。特に訪問看護は病棟とは求められるスキルセットが異なるため、施設ごとの経験を分解して書く重要性がより高いといえるでしょう。
ソフィアメディ 採用担当■採用担当コメント
採用担当は、みなさんが働いてきた病院や施設について詳しいわけではありません。そのため、複数の経験をひとまとめに書くと、せっかくのご経験が伝わりにくくなってしまいます。
「どんな機能を担っている施設で(忙しい急性期なのか、専門性の高いクリニックなのかなど)、どんな患者さんを担当し、どんな処置やかかわりをしていたか」を施設ごとに分けて具体的に書くと、格段に伝わりやすくなります。
ブランクや転職回数は、理由と一貫性を説明できると◎
ブランクや転職回数そのものが即マイナスになるわけではなく、そこにどんな経緯・意図があるかが重視されます。これは看護師の転職市場全体に共通する考え方です。「◯◯ができなかったため」と書くよりも、「今後は□□な看護を実践したい」と書いたほうが、これからの意欲が伝わりやすくなります。
ソフィアメディ 採用担当■採用担当コメント
卒業から就職までの期間が空きすぎていないか、短期間での転職を繰り返していないかといった点も確認することが多いポイントです。ブランクや転職自体がすぐにマイナスになるわけではなく、そこに一貫したストーリーがあるかどうかが重視されています。
生成AIは下書きに便利。仕上げは自分の言葉で
履歴書や職務経歴書、志望動機の下書きに生成AIを使うこと自体は、禁止されておらず、多くの転職エージェントでも肯定的に捉えられています。キャリアの棚卸しや文章の整理に使うのは効率的な方法のひとつです。
ただし、生成AIが作った文章をそのまま提出すると、他の応募者と似た当たり障りのない内容になりやすく、具体的なエピソードや自分の言葉が失われてしまうリスクがあります。棚卸しや構成の整理はAIに手伝ってもらいつつ、エピソードや看護観など自分にしか書けない部分は、自分の言葉で仕上げると、実体験だという説得力が増します。
訪問看護への転職で、履歴書が実際に読まれるタイミングとは
人材紹介会社経由での転職活動自体は、訪問看護に限らず看護師の転職市場全体で一般的な流れです。エージェントを介す場合でも履歴書・職務経歴書を丁寧に準備する価値があるという点は、業界共通の実感といえます。
ソフィアメディ 採用担当■採用担当コメント
訪問看護の転職では、人材紹介会社(エージェント)経由での応募が多くを占めます。この場合、最初の書類選考は紹介会社が作成した簡易な「キャリアシート」で行われることが多く、本人が作成した履歴書・職務経歴書がしっかり読まれるのは、多くの場合、面接と同じタイミングになります。
面接では、管理者(エリア責任者など)からの質問の中で「履歴書にこう書いてありましたが、もう少し詳しく教えてください」というかたちで、履歴書の内容をもとに話が広げられていきます。つまり、書類選考用というより「面接をより深いものにするための資料」としての役割が大きく、丁寧に書いておくほど、面接でのコミュニケーションもスムーズになります。
履歴書の項目別の書き方|看護師が訪問看護に応募するとき
ここでは、学歴・職歴欄から本人希望記入欄まで、看護師ならではの書き方のポイントを整理します。
| 欄 | 書き方のポイント |
| 学歴欄 | 看護学校・大学は正式名称で記載(例:「〇〇県立看護専門学校」「〇〇大学 看護学部 看護学科」)。学校名・学部名を省略せず、入学・卒業の年月も西暦か和暦のどちらかに統一して記載。 |
| 職歴欄(施設名) | 病院・クリニック・訪問看護ステーション名は、法人格を含めた正式名称で記載(例:「医療法人〇〇会 〇〇病院」「訪問看護ステーション〇〇」)。略称や通称ではなく、求人票や公式サイトの表記に揃えるのが基本。 |
| 職歴欄(入職・退職の書き分け) | 入職した年には「入職」、退職した年には「一身上の都合により退職」のように記載して書き分け。現在も在籍中の場合は、最後の行に「現在に至る」と記載し、末尾に「以上」を添える。 |
| 免許・資格欄(看護師免許) | 「看護師免許 取得」という正式な表記で、取得した年月(西暦推奨)とあわせて記載。准看護師免許を経て看護師免許を取得した場合は、取得した順番(准看護師→看護師)に記載。 |
| 免許・資格欄(関連資格) | ケアマネジャー(介護支援専門員)やACLS(二次救命処置)プロバイダーなど看護師免許以外の関連資格も、正式名称と取得年月を添えて記載できる。看護師免許と同様、取得した年月の古い順に並べるのが基本。 |
| 本人希望記入欄 | 訪問看護ならではの項目として、オンコール対応の可否、希望勤務エリア、勤務時間・日数の希望などを簡潔に書いておくと、選考時のミスマッチを防ぎやすい。 |
履歴書を書く前に|看護師のキャリアの棚卸し方法
これまでの経験を書き出す
これまで携わった診療科、担当した役割、印象に残っているケアの場面などを時系列で書き出すところから始めます。たとえば、以下のような切り口で書き出してみましょう。
- いつ、どんな診療科・施設で、何年ほど勤務したか(例:急性期病棟に3年、その後クリニックに2年)
- その中でどんな役割を担っていたか(例:リーダー業務、新人指導、退院調整の窓口など)
- 印象に残っているケアや、患者様・ご家族様とのかかわり(例:退院後の生活を見据えた指導を行い、感謝の言葉をいただいた場面)
- そのとき感じたこと・考えたこと(例:入院中だけでなく、生活の場まで支援したいと感じた瞬間)
訪問看護に活かせる経験の見つけ方
急性期出身、慢性期出身、クリニック出身など、これまでの経験のタイプによって、訪問看護で活きる強みは異なります。次の「経験別の言い換え例」を参考に、ご自身の経験がどう活かせるかを整理してみてください。
なお、訪問看護から訪問看護への転職の場合も、ステーションによって方針や利用者層は異なります。「なぜ今の環境を変えたいのか」を一度言語化しておくと、職務経歴書だけでなく志望動機にもつながります。
経験別の言い換え例
これまでの経験は、訪問看護の現場でどんな力になるのか。代表的な例を整理しました。
| 急性期出身 | これまでの強み 「重症化の早期発見」「迅速な判断力」 ↓ 訪問看護では 在宅で異変にいち早く気づく観察力 |
| 慢性期・療養病棟出身 | これまでの強み 「長期的なかかわり」「生活リズムに合わせたケア」 ↓ 訪問看護では 継続的な関係構築力として、そのまま強みになる |
| クリニック・外来出身 | これまでの強み 「限られた時間での的確なアセスメント」「多職種への申し送り」 ↓ 訪問看護では 短時間訪問での要点把握力 |
| 地域連携室・退院調整の経験 | これまでの強み 「院内外の橋渡し役」 ↓ 訪問看護では ケアマネジャーなど地域の多職種と連携する訪問看護の働き方に直結する経験 |
看護師の職務経歴書の書き方【訪問看護向けモデル文例つき】
以下は「ここまで書けるとより伝わりやすくなる」例として、職務経歴書の書き方のイメージをつかむ参考にしてください。
経験パターン別 職務経歴書のモデル文例
※以下はすべてオリジナルの文例です。実在の応募者を想定したものではありません。
文例A:急性期病棟からのキャリアチェンジ
| 勤務先の種別と規模 | 急性期病院/循環器内科病棟/45床 |
| 在籍期間 | 2018年4月〜2024年3月(6年間) |
| 担当した患者層と主な処置・業務 | 心疾患の患者様を中心に、術後管理、心臓カテーテル検査前後の看護、重症患者の全身管理、緊急入院患者の初期対応 |
| 役割・実績 | プリセプターとして新人教育を担当。退院支援チームと連携し、在宅復帰に向けたカンファレンスに参加 |
文例B:複数科での経験
| 勤務先の種別と規模 | 救急指定病院(救急病棟)→ 同院の緩和ケア病棟(異動) |
| 在籍期間 | 救急病棟 2019年4月〜2022年3月(3年)/緩和ケア病棟 2022年4月〜2023年9月(1年半) |
| 担当した患者層と主な処置・業務 | 救急病棟では多発外傷・重症患者の初期対応と急変対応、緩和ケア病棟では終末期の患者様の症状緩和とご家族支援 |
| 役割・実績 | 緩和ケア病棟在籍中に訪問看護ステーションの同行研修に参加し、在宅療養支援の実際を学ぶ |
文例C:訪問看護ほぼ未経験(経験3年程度)
| 勤務先の種別と規模 | 消化器外科病棟/急性期病院 |
| 在籍期間 | 2021年4月〜2024年3月(3年間) |
| 担当した患者層と主な処置・業務 | 術後管理、ドレーン管理、退院支援、幅広い年齢層への対応 |
| 役割・実績 | 夜勤リーダー業務、退院調整の窓口対応 |
ソフィアメディ 採用担当■採用担当コメント
たとえば「◯◯病棟に3年間勤務」とだけ書くのではなく、「急性期病棟で術後管理・退院支援を担当。他職種と連携しながら在宅復帰に向けたカンファレンスに毎週参加」というように、施設の特性・担当した患者層・具体的なかかわり方まで分解して書くと、訪問看護でどのように経験を活かせるかが伝わりやすくなります。
訪問看護ならではの志望動機のポイント
志望動機を書く際は、待遇面ではなく、訪問看護ならではの魅力に触れることがポイントです。たとえば「利用者様の生活の場に長く寄り添える」「多職種と連携しながら一人の生活を支えられる」「病棟で培った重症化の早期発見の視点を、悪化する前の在宅の場面で活かせる」といった視点です。当たり障りのない一般論で終わらせず、自分の経験に基づく具体的なエピソードや看護観を交えて書くと、伝わりやすくなります。
よくある質問
Q. 履歴書は手書きとデジタル(PC作成)、どちらがいいですか?
どちらでも問題ありません。データ作成が主流ですが、手書きのほうが丁寧な印象につながることもあります。手段よりも丁寧に仕上げようとする姿勢が、結果として伝わりやすくなります(詳しくは『看護師が訪問看護に応募するとき、履歴書で伝わりやすくなるポイント』をご覧ください)。
Q. 履歴書で病院での経験はどう伝えればいいですか?
病棟名や勤続年数だけでなく、担当した患者層・処置内容・役割まで具体的に書くのがポイントです(詳しくは『職務経歴書は「まとめすぎ」より「勤務先ごとに具体的に」』をご覧ください)。
Q. 履歴書をメールで送る場合の注意点は?
ファイル形式はPDFが推奨されます。ファイル名に氏名を入れる、本文に簡単な挨拶とあわせて履歴書を添付した旨を明記するなど、基本的なビジネスメールのマナーに沿って送付するとよいでしょう。
Q. 職務経歴書と履歴書の違いは何ですか?
履歴書は学歴・職歴・資格などの基本情報をまとめた書類で、職務経歴書はこれまでの実務内容や実績を具体的に説明する書類です。訪問看護の転職では、両方の提出を求められるのが一般的です。
履歴書・職務経歴書は「これまでの経験の棚卸し」
病院での経験は、訪問看護という新しい環境でも十分に活かせます。大切なのは、「これまでどのような環境で、どんな業務を行ってきたのか」を一つひとつ振り返り、整理して伝えることです。
エージェント経由の場合でも、履歴書は面接の場でしっかり読み込まれる資料になります。丁寧に書いておくことで、自分の経験を正しく伝え、面接での対話をより深いものにすることにつながります。
丁寧に書かれた書類は、面接の場であなたを力強く後押ししてくれる「心強い味方」になります。これまでのキャリアを棚卸しして、ぜひ自信を持って次のステップへ進んでくださいね。
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この記事を書いた人

白石 弓夏(しらいし ゆみか)
看護師/ライター
プロフィール
2008年に看護師資格を取得し、3次救急指定病院での勤務からキャリアをスタート。小児科・整形外科をはじめとする病棟のほか、クリニック、訪問診療、施設、健診など幅広く経験してきた。現在も整形外科病棟で非常勤看護師として臨床に立ちながら、医療・看護分野に特化したライターとしても活動している。臨床現場の「今」を伝える視点を強みに、医療従事者向け・一般向けを問わず、取材記事や書籍制作などを手掛ける。
この記事を監修した人

採用担当 K
ソフィアメディ
採用グループ
プロフィール
高校卒業後、大学にて教育学を専攻、卒業後に看護学校に進学。看護師資格取得後は、大学病院の循環器・呼吸器内科病棟や、離島での応援ナースを経験。2021年にソフィアメディに入社し訪問看護師として勤務。現在は訪問看護師経験を活かしながら医療職・総合職の採用を担当しております。